イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。


 ……警察、って凄いな。まぁ、早瀬さんは同期で皆さん付き合いが長いから、なのかな。でも、どう思ったんだろう。同期としては。だって、その後地方に異動になったわけだし……


「まっ、瑠奈ちゃんが無事ならよかったよ」

「ご心配を、おかけしました……」

「いいっていいって、気にすんな」


 これ以上長居したら湊がむくれっから俺達そろそろ帰るな。そう言い残してお二人は帰っていってしまった。……むくれるから?

 けれど、それよりも大丈夫だっただろうか。もうアルバイトは終わってるから、私はもう彼女役じゃない。だからずっとお二人の前でどんな態度を取ったほうがいいのか迷った状態で話していたから、変に思われてなかったかな。

 そう思っていると、湊さんが私のいるベッドの脇に座って近づいていた事に気が付いた。そして、額に手が添えられる。


「もう熱はないな」

「ぅ……」


 いきなりの事で顔が火照ってしまう。一昨日熱を出してからずっとこうだ。知恵熱のせい、と自分に言い聞かせてきたけれど……もうこれ以上はその言い訳も通用しない。

 目の前の湊さんの顔が、見られない。けれど、クスクスと笑い声が聞こえてきて余計顔が熱を持ってしまう。一体何を思って笑っているのだろう……恥ずかしい。


「戸惑い過ぎだろ。何、アルバイトは終わってるから、とでも思ったか?」

「……」


 ……お見通し、ですか。さすがですね。

 本当に、湊さんには見破られ過ぎて隠し事なんて出来ないな。


「俺としてはもうそのつもりなんだけど」


 ……その、つもり?

 一体、どういうつもり……?