イケメン警視、アルバイトで雇った恋人役を溺愛する。


「はぁ、完全に知恵熱だな」

「……すみません」


 湊さんの家に連れてきてもらったところで、おでこを触られあれよあれよという間にベッドに連行されてしまった。まさか、大人の知恵熱で38度も熱を出してしまうとは……情けない。


「謝るな。ストーカーに住居侵入とくればこうなるのは当然だ」

「……」

「今日はもう署に行かないからずっとそばにいる。だから安心しろ」

「……ありがとうございます」


 ついさっき、告白までされたから……知恵熱じゃない熱も出してしまっているような気がする。握ってくれた手、たぶん手汗出てる。恥ずかしい……

 でも、もう署に行かないの? だって、お仕事中に呼び出しちゃったんだよね……? スーツだもん。

 ……申し訳ない事、してしまった。けれど、助けてもらって本当に良かった。もし呼ばなかったら、と思うと……恐ろしくて仕方ない。


「腹は?」


 そう聞かれ、頭を横に振った。バイト先で賄いをいただいたからお腹は空いてない。というか、色々あって食事をする気分じゃない。

 じゃあ寝ろ、と言われ目を閉じると……すぐに寝落ちてしまった。


 そして次の日、また湊さんの寝顔を見ての目覚めとなるのである。


「瑠奈ちゃ~~ん! 無事でよかったよぉ~~!!」

「煩いぞ、広山」


 そして二日後、休みだったらしい海さんと野木さんが話を聞きつけ来てくれた。ベッドの上でお会いする事になってしまったから申し訳なさがあるけれど、何と言うか、海さんの勢いが凄かった。


「お前が言ってた通り早瀬問い詰めたら一発だったよ。高木美代子と接触して鍵をもらってた。で、あの犯人に渡してた事が判明した」


 まさか、また早瀬さんが母と会っていたとは……何となく予測はついていたけれど、あの日最後にあった早瀬さんのあの顔がよぎる。

 以前湊さんは、早瀬さんに、私と居酒屋アルバイトの先輩が一緒に歩いていた写真を見せられていた。だから、佐々木先輩の事も私に対しての気持ちを見抜いていたから利用した事が分かったらしい。