この恋は妄想じゃありません

夏川くんがホワイトボードに小宮さんの名前を書いたあと瀬名くんに尋ねる。



「次瀬名くん何がいい?」


「莉紗先輩と同じの」



ほんとに、瀬名くんって何考えてんだろう。



頭多分何回か打ってるよね。



そもそも私のこと好きになったきっかけって何?、私のどこが好きなの?なんて次々に問いが浮かんでくる。



ちょっと顔がいいからって私、絶対こんなチャラい人とは付き合わないから。



「莉紗先輩。一緒に窓の掃除しよーよ」



ちゃっかり2人のところの仕事を取ろうとしているとこに気づく。



絶対からかってるよ私のこと。



でも、断ろうと思った時には時すでに遅し。



ホワイトボードには私と瀬名くんの名前が刻まれていた。



なんてついてないんだ私。



瀬名くんと掃除なんかしたら絡まれて一生終わんなさそう。



今日は早く帰りたいのに。



断りたいけど、他の担当ももう決まっていて今更嫌だと言える空気ではなかった。