いきたい僕ら

……僕もレンも落ち着いた頃に、もう一度声を出した。

今度は咽せないように、小さな声だけど。

「5日寝てたってことは、今日、10月……5日?」

「そうですね。」

「外、出れるかな……?」

僕がそう呟いた瞬間、病室の扉が勢いよく開いた。

驚いてそっちを見れば、梨杜さんが立っていた。

起きあがろうとすると、2人に同時に止められた。

「だから起きちゃダメですって。」

「そうだぞ、律樹。無理するな。」

僕はしぶしぶ寝たまま、挨拶をする。

「お疲れ様です。梨杜さん。」

梨杜さんはふわりと笑って言った。

「ああ、お疲れ。よく、頑張ったな。」

そうして頭を撫でてくれる。

「だけどな、」

そのまま頭をガシッと掴まれた。

「なんであんなことになったのか、とか、あの八神の状態はどういうことか、とか。説明してもらわないといけないことはいっぱいあるからな。」

「ちょ、梨杜さん痛い。」

僕が抵抗できないからってやりたい放題だ。

梨杜さんの後ろにいる医者らしき人物はオロオロするだけで、助けてくれる気配はなかった。

「ま、まぁ梨杜さん。律樹さんも起きたばかりだし、その話はまた今度しましょ。」

見かねたレンがそう言って、梨杜さんを止めてくれた。

梨杜さんは渋々といった感じで頭を掴むのはやめた。

まだ痛い。

「……それはそうと、律樹さん。さっきのどういうことですか?」

頭を押さえる僕に、レンが聞いてきた。

「さっきの?」

「あの、外出るとかいうやつ……。」

「ああ……聞こえてたの……。」

レンが言った言葉に1番に反応したのは医者らしき人物だった。

「外?!そんな状態で出れると思ってるの?!」

「お前は自分の状態もわからないような奴だったか?」

梨杜さんまで、そんなことを言ってくる。

それに、レンは気付いたようだった。

「聞こえてたの、って……まさか黙って出るつもりだったんですか?!」

「……」

無言で目を逸らした。

「……律樹さん?」

レンが無理矢理目線を合わせてくる。

……逃げられないな。

「……はい。」

「はぁ〜……。」

巨大なため息をつかれてしまった。