いきたい僕ら

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頭に声が響く。

誰かの泣き声。

それは日に日に大きくなっていった。

今日も聞こえる。

誰かの……誰かのじゃない。

レンの泣き声。

なんで泣いてるの……?

大丈夫だよ。

僕が……僕がいるからね。

「ぅ……ん、まぶし……」

目を開ければ、真っ白な天井と真っ白な光が目に入った。

眩しくてもう一度目を閉じた。

「律樹さん……?」

声が聞こえて、薄く目を開ける。

「起きた……?」

「……レン……?」

自分の声はカスカスで、そう言ってるつもりなのに何言ってるのか分からなかった。

「そう、です……蓮斗です……!」

泣きそうになっているレンの頭を撫でるために起きあがろうとすると、脇腹に激痛が走った。

「っ!!」

「あああ、起きちゃダメです!傷が開きますよ。」

焦ったレンに止められた。

どう頑張っても無理そうだったから起き上がるのは諦めて、代わりに手を伸ばした。

「無事で……よかった……。」

レンはその手を握って、笑顔で言った。

「律樹さんも、生きてて良かった……!」

すると、レンが思い出したように携帯を出し、電話をかけ始めた。

「梨杜さん!起きました!律樹さん、起きましたよ!」

ハイテンションでそう言って、いくつか受け答えをしたあと、電話を切った。

「梨杜、さん?」

「はい。今から来るそうです。」

別に来なくてもいいのに。

そんな思いが顔に出てたのか、レンは笑いながら言葉を続けた。

「心配だったんですよ。だって5日も寝てたんですから。」

「いつっ……ゴホッ……」

驚いて、大声を出そうとして、咳が出て、脇腹が痛くて……。

「あ、ちょっと!急に大声出すから……。」

レンがわたわたしてて……。

たったそれだけのことなのに、僕は嬉しかった。

体は死にそうなくらい痛かったけど、守れて良かったって思えた。