いきたい僕ら

僕は拳銃をしまって、寝ているレンに声をかけた。

「……レン。」

怪我はしていないとはいえ、同年代の、それも自分より大きな少年を担いでいくのは骨が折れる。

だから起きてもらいたいんだけど……。

「レン!起きて!」

肩を揺らしながら声をかけるも、起きる気配はない。

見た感じただ寝てるだけだから、すぐに起きると思うんだけど……。

……そこで僕は思い出した。

レンって、何もない日の寝起き、クソ悪くね?

てことは……。

「レン、今日呼び出し!遅刻するよ!」

「はっ!今何時?!」

「午後6時。」

すぐ起きた。

「へ?律樹さん、ここどこです?俺……え?森で倒れて……え?」

レンは周囲を見て混乱しているようだった。

「端的に状況を説明するね。1、君が八神に攫われる。2、僕と幹部の皆さんが助けに来る。3、今。」

「おーわかりやすい。」

てなわけで仕切り直して。

僕はレンの頭を撫でた。

「おかえり。怖い思いさせたよね。ごめんね。」

「……大丈夫ですよ。正直、ここに来てからのことほとんど覚えてないんで。」

痩せ我慢だってことはすぐにわかった。

手が震えていたから。

だから僕は安心させるように言った。

「泣きたいなら泣けばいいんだよ。全部受け止めてあげるから。」

「……泣かないですよ?律樹さんじゃな……っ!!」

背後に殺気を感じたときには、僕の体はレンに突き飛ばされていた。

血飛沫が舞う。

「ぁ、え……?」

目の前の光景がコマ送りのように見えた。

梨杜さんを見れば、床に倒れている。

レンの脇腹には、深々とナイフが刺さっている。

僕が、油断したからだ。

「……ゴフッ……」

口から血の塊を吐き出す。

「……威織さん……俺、言いましたよね……?律樹さん、には……手を出すな、って……。」

あれ?死ぬ……?

「なんで……約束、破るんです……?」

レンが……レンも……死ぬの?

「俺、は……1人じゃ……いか、ない……すよ……?」

……助けないと。