いきたい僕ら

「……律樹さん、わざわざ蒼さんを外に出して、何の話ですか?」

「……レン、もし……もしだよ?朝起きて、僕が首を切っていたらどうする?」

僕は落ち着いた声で言った。

……レンには伝えておいた方がいいと思った。

今日の状態になって、僕が自殺したら、死体を最初に見つけるのは絶対にレンだ。

そうでなくても、僕は不安定だ。

いつ、何がきっかけで、どうなるかなんて分からない。

いつでも梨杜さんがいるわけじゃないし。

それが今日の一件でよくわかったからこそ、レンには全部話しておこうと思った。

「え?泣きます。」

即答だった。

「もしまだ息があるなら全力で助けようとするし、無理そうなら多分1週間くらい泣き続けます。」

……こいつ、もしかしなくてもヤバいやつなんじゃないか?

「……真面目な話。」

「十分真面目です。冗談抜きで、俺は多分立ち直れないですよ。」

……そっか。

「……レンは、僕の精神が脆いことを知ってるよね?」

何回か、壊れそうな僕を見たことがあったはずだ。

「はい。やっと話す気になりました?」

「あはは……やっとね。」

意地悪な笑みのレンから目線を逸らして答えた。

「……今日ね、本当にダメになった。自分でも分からないうちに壊れて、泣くこともできなかった。」

梨杜さんに会ってからあんなになったのは初めてだ。

「大丈夫なんですか……?」

心配したように聞いてくる。

「大丈夫だよ。幹部の皆さんが助けてくれたから。……だけど、いつでも助けてもらえるわけじゃない。だから、助けてくれないかな?僕が危ないときに。ただ話を聞いてくれるだけでいいから。」

「……律樹さん、そんなに改まって言うことでもないですよ。」

逸らしていた目線をレンの顔に戻す。

レンは笑っていた。

その笑顔は、朝陽のようだった。

「俺は去年律樹さんに付いたときから、律樹さんと一心同体です。泣きたい時は泣いていいんですよ。だって俺、律樹さんに頼られるのがすごく嬉しいんですから。」

「……ありがとう。」

……とりあえずこれで、1人でダメになって、死ぬことは無くなるだろう。