いきたい僕ら

……こうして、俺たちは毎月末に誰もいない児童館で遊ぶようになった。

ある日、こんなことがあった。

その日は俺たちの方が先に来ていて、中に入って律樹たちがくるのを待っていた。

すごく寒かったから、1月末だったと思う。

1人でオセロをやっていると、後ろから声が聞こえた。

「朝陽ー!おはよー!」

俺が振り向くと同時に、そいつは飛びついてきた。

俺はそれを受け止めて、頭を撫でてやる。

「っと……危ないなぁ。おはよう、律樹。」

「朝陽が受け止めるから、危なくないよ。」

どこにそんな自信があるのやら……。

嬉しそうにする律樹の後ろでは実樹さんと、知らない女の人が華野さんと話していた。

「ねぇ律樹、あの人誰?」

俺が聞くと、律樹は何のことを言ってるのか分からないようだったが、俺の指す方を見て、すぐに納得したようだった。

「あぁ、僕の姉さん。樹楽って言うんだよ。」

律樹がそう言うと、樹楽さんはこっちに近づいてきた。

そして、自然な笑顔で話しかけてきた。

「君が朝陽くん?いつも弟がお世話になってます!」

律樹と違って、誰とでも仲良くできそうな感じの人だった。

「い、いえ……こちらこそ、お世話になってます。」

この時の俺はすでに真実を知っており、人と距離を取るようになっていた。

律樹だけは例外。

他の人とは、例外なく壁を作っていた。

樹楽さんにもそれが伝わったようで彼女は少し困ったように口を開いた。

「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ?私はあなたと遊びたいだけだから。」

「僕の朝陽だよ。たとえ姉さんでもあげないから。」

律樹が所有権を主張するように俺をぎゅっと抱きしめた。

かわいいかよ。

「律樹、3人で遊べばいいだろ?」

俺は律樹の頭を撫でながら言った。

「初めまして。俺、小藤朝陽って言います。」

「私は樹楽。12歳だから、1番年上かな?よろしくね、朝陽くん。」