いきたい僕ら

……これが、梨杜さんから語られた内容だった。

「……よく分からないって顔だな。」

梨杜さんは僕の顔を見て言った。

「実際、ピンと来てないですよ。」

全部話されてもよく分からなかった。

「つまり僕は、『子供なんだから』って言葉に、自分が思ってる以上にショックを受けた、ってことですか?」

「ああ、そういうことだろう。」

梨杜さんは目を逸らして話し出した。

「私は違うから、お前や蒼の辛さを分かってやることはできない。だから、ごめんな。気づいてやれなくて。」

そして、僕の頭を撫でた。

「……あの……レンは?」

少し気まずくて、無理矢理話題を変えた。

梨杜さんは疑問に思っているようだったが、答えてくれた。

「……医務室だよ。今日はもう遅いから、行くなら明日にしな。」

「……分かりました。おやすみなさい。」

「あぁ、おやすみ。」

その声を聞いて、僕は会議室をあとにした。

……僕は大人しく自分の部屋に戻って……いなかった。

さっきまで寝てたからっていうのもあるし、レンの様子を自分で確かめたいっていうのもあるけど。

何よりも、怖かった。

寝て、またあの夢を……幸せな夢を見てしまうのが、とても怖かった。

医務室の扉をなるべく静かに開ける。

中にはレンと、蒼さんがいた。

2人とも起きているようで、扉が開いたのに気づいて、こっちを向いた。

「やぁ。よかった、元気そうだね。」

蒼さんがそう言う。

「2人とも、電気もつけずに何してるんですか?起きてるなら静かに入る意味ないじゃないですか。」

パチリと電気のスイッチを押しながら、僕は言った。

急な明るさに思わず目を閉じる。

目が慣れてきた頃に、レンが口を開いた。

「律樹さん、急に付けないでくださいよ。」

「ほんとに。せっかく僕たちで楽しく秘密のお話してたのに、台無しだよ。」

蒼さんも、口を尖らせて言う。

「秘密のお話って……。それよりも蒼さん、ありがとうございました。その……いろいろと。」

レンは知らなくていいことだったから言葉を濁したけど、蒼さんにはそれで通じたようだった。