いきたい僕ら

……僕を聖藍さんに任せて、3人の幹部は医務室に向かった。

医務室に入ったとき、すでに部屋は掃除されていて、龍星さんはレンの体についた八神の血液を拭いていたらしい。

「龍さん、ちょっといい?羽澄、彼のこと見ててあげて。」

蒼さんがそう言い、羽澄さん以外の3人は会議室に戻ってきた。

「ねえ、龍さん。律樹くんの様子が明らかにおかしかったんだけど、何か知らない?」

そう聞かれて、龍星さんはあの場所であったことを話した。

「……そんで、『無茶するな、子供なんだから』って言ったら、ああなって……。」

「っ……!そう……」

蒼さんは立ち上がって龍星さんに近づき、平手打ちをした。

そして胸ぐらを掴み上げて訴えた。

「龍さん、今後絶対にそんなこと言わないで。ここにいる子たちには……特に彼みたいな、幸せだった過去を持ってる子には!」

「なんで……」

「『子供』でいたかったのに、いられないんだ。無理矢理、『大人』にさせられてるんだ!無茶したくてしてるんじゃない。僕たちが、そうさせてるんだよ!」

「……」

「僕は同じだったからよく分かる。その言葉は、自分が思ってるよりも自分の心に深く突き刺さるんだ。龍さんや梨杜姉に想像できる?いきなり自分の保護者を奪われて、『子供』でいられなくなって、『大人』になって必死で生きてきたのに、それを『子供なんだから』って一言で簡単に踏み躙られる、その辛さをさ!」

「……蒼……」

「キツイよ……。そりゃ自分でも分からないうちにおかしくなるよ。『大人』でいることで何とか生きれているのに、それを否定されて平気でいられるわけないんだ……。どれだけ大人のふりをしてても、彼らはまだ子供なんだから……。」

「……悪かった。」

「……彼、今回はちゃんと僕たちのところに戻ってきたからよかったけど、下手したらあのまま死んでたかもしれない。自覚のない地雷は、そういうやつなんだよ……。」

蒼さんは龍星さんを放し、力なく項垂れた。