いきたい僕ら

騒動が落ち着いたところで、レンが改めて聞いてきた。

「律樹さん、これ開けてもいいですか!」

相当嬉しかったのか、目がキラキラしてる。

「いいよ。昨日急いで買ったからあんまりいいものじゃないけど。」

「いいんですよ。俺、人からプレゼントもらうの初めてなんで何もらっても喜びます。」

言いながらプレゼントの包みを丁寧に開けていく。

……プレゼント、もらったことないんだ。

そういえば家庭環境は良くなかったみたいなこと言ってたし、友達とも、こういうことなかったのかな……?

「綺麗……。」

僕があげたのはペンダントだ。

蓮斗にちなんで、ハスの花がついたもの。

レンは早速それを首にかけて、

「梨杜さんどうですか?似合ってますか?」

と言った。

その様子は年相応に子供で、とても嬉しそうで、「贈り物って悪くないな」って思った。

相変わらず誕生日には嫌悪感しかないけど。

「ああ、よく似合ってるぞ。」

梨杜さんがお皿に料理を取り分けながら言った。

「やった!律樹さん、ありがとうございます!」

「喜んでもらえてよかった。」

……3人で梨杜さんが用意してくれた料理を食べていると、「そういえば、」と梨杜さんが言った。

「私もプレゼント用意してるんだった。ちょっと待ってな。」

そして仕事机の引き出しの中から、大きめの紙袋を取り出しレンに渡す。

レンは中を覗いてまた目を輝かせた。

「お菓子!ありがとうございます、梨杜さん。大事にとっときますね。」

「いや、食えよ?」

梨杜さんのツッコミは冴え渡っております。

「えへへ、じゃあ写真でも撮っとこ。」

レンはそう言って携帯のカメラを準備し、ペンダントとお菓子、そして机の上の料理と部屋の様子を写真に撮った。

「よし、最後はみんなで撮りましょ?」

レンは内カメにして全員が写るようにカメラを構えた。

僕も梨杜さんも、素直に撮られる。

満面の笑みのレンと、ちょっと不器用な笑顔の2人が綺麗に写っていた。

……料理もあらかた食べ終わり、残すはケーキのみとなった頃、レンが口を開いた。

「お2人は誕生日はいつなんですか?」

自分の顔が強張るのがわかった。

梨杜さんはチラリと僕を見て気付いたようだったが、テンションが上がっているレンは気づかない。

「今日祝ってもらったんで、そのときは全力でお祝いします。」

100パーセントの善意で言ってるのはわかってる。

だからなるべく傷つけないように、誤魔化すことにした。