いきたい僕ら

……次の日。

僕とレンは本部に来ていた。

昨日、電話で呼び出されたからだ。

あのあと、僕が少し買い物に行ってから部屋に戻るとレンは起きていて、本部に呼び出されたことだけ伝えた。

レンは「なんか不機嫌ですけど、どうしたんですか?」と聞いてきたが、無視した。

すまないレン。その理由を話すと僕は余計なことまで話してしまう!

と心の中で謝っておいた。

本部ではいつものように受付に行き、梨杜さんを待つ。

その間、レンが話しかけてきた。

「律樹さん、いい加減話してくださいよ。昨日からなんでそんなにむくれてんですか?」

理由がわからなくて困惑してる、というよりは、自分のせいなんじゃないかと心配してるみたいだった。

「……レン、僕はレンに怒ってるわけじゃないよ。それだけは言っとくね。」

僕がそう言うと、レンは引き下がった。

納得はしてないみたいだったけど。

そして梨杜さんがやってくる。

僕は梨杜さんをジト目で睨んだ。

梨杜さんは超絶いい笑顔で返し、その様子を見て、レンが頭にハテナを浮かべていた。

「おはよう、2人とも。」

梨杜さんはいつもの調子で……いや、いつもよりも上機嫌で僕たちに声をかけた。

「おはようございます!梨杜さん、なんか今日機嫌良さそうですね。」

レンが言った。

「私は、ね。どっかの誰かさんは不機嫌だけど。」

そう言って僕の方を見てくる。

誰のせいだと思ってるんだ。

「……そんなことはいいので。早く行きましょう。」

僕はそう言ってエレベーターの方へと歩いた。

……3人でエレベーターに乗り、梨杜さんの執務室の前までやってくる。

そして梨杜さんが扉を開けた。

「うわぁ……。」

中の様子を見たレンが、思わずといった様子で声を漏らした。

部屋の中は綺麗に飾り付けがしてあり、テーブルには美味しそうな料理やお菓子、中央にはケーキが置いてあった。

「レン、誕生日おめでとう。」

……あの日から誕生日を祝われることはもちろん、祝うこともしてなかった。

だから僕は久しぶりにこのセリフを言った。

ちょっと恥ずかしくて、目を逸らしていた。

レンは一瞬驚いた顔をして、にこりと笑った。

「ありがとうございます、律樹さん。」

そう言ったレンの顔は、本当に嬉しそうだった。