いきたい僕ら

……目を開けるとそこは、「イーグルサイト」の実験室の中だった。

僕は部屋の中央に倒れていた。

床にあった魔法陣は跡形もなく消えているが、奥の死体と八神の死体はそのままだった。

起き上がって携帯を取り出し、梨杜さんに電話をかける。

相手はすぐに出た。

『おー律樹。遅かったな。』

「梨杜さん……」

よく知る人物の声を聞いて安心したのか、訳もなく涙が溢れてきた。

嗚咽を押し殺し、報告をする。

「……場所は、本部、から東……にあ、歩い、て30分……。倉庫群、の中で、1番大きい、ものです……。」

酷く聞き辛かっただろうが、許して欲しい。

そして、何か気付いても、知らないふりをしていて欲しい。

だけど、そんな簡単な願いは叶わなかった。

『……律樹、何があったんだ?』

その問いには答えず、報告を続ける。

「いち、1番、奥の部屋……に、たくさんのひ、人の死体…があって、」

『律樹。話してごらん。』

優しくしないで欲しい。縋ってしまいたくなる。

「神威は、八、神で……僕、僕レンの、名前……がでた、から……」

『律樹。』

もう無理だった。

「……梨杜さん。ひとりで、きて……。ねえ、たす…け、て……。」

『わかった。』

その声を聞いて、僕は通話を切るのも忘れて泣いた。

甘やかしてくれる人がいると、僕は本当に弱い。

レンと一緒の時は大丈夫だったのに、梨杜さんがいるとちょっとしたことでも不安定になる。

それで死にたくなって、でも死ねないから子供のように泣きじゃくる。

そんな弱い自分が本当に嫌になるんだ。

……梨杜さんはすぐに来てくれた。

何も聞かずに、ただ背中をさすってくれた。