いきたい僕ら

すぐに男性に向かって拳銃を向ける。

「誰ですか?」

声をかけると僕の方を振り向き、男性は口を開いた。

「僕を呼んだのは君?」

若く、溌剌とした声をしていた。

呼ぶってどう言うことだ……?

僕が黙ったままでいると男性が再び口を開いた。

「まぁ何でもいいや。……ねえ君、僕ね呼び出されたら何かひとつ、願いを叶えてあげないといけないんだよ。何かない?何でもいいよ。欲しいものでも、消して欲しいことでも。あ!」

男は一度口を閉じ、意味深にニヤリと笑って続けた。

「死んだ人を生き返らせることも、できるよ?」

「!?」

謎の男はそう言って僕に近づき、真正面に立って目線を合わせてきた。

拳銃は片手で押さえ込まれた。

「ふむふむ……8歳でかぁ。しかも特別な日だったんだね。それで施設にやってきて、世界の裏側を知ったんだ。辛かったろう?」

「お、い……。」

「いやそうでもないのかな?生きる目的があるからね。彼のためにって。目的があるのはいいことだよ。それだけで大きな力になるからね。ふーん、彼、朝陽くんって言うんだ!」

「おい……!」

目を離そうとするのに、取り憑かれたように逸らすことができなかった。

体も金縛りにあったように動かなかった。

「ん?どうしたの?」

「……お前は、何なんだ……?」

「僕?僕はね、とある神だよ。」

男……神は笑って言った。

神は立ち上がり、僕から離れる。

すると体の力が抜け、僕は床にへたり込んだ。

「はぁ……はぁ……。」

荒い呼吸を整えながら、神の話を聞く。

「今願いがないなら特別に保留にしてあげる。どうやら君にはいずれ必要になるみたいだからね。また正規の手段で呼ぶのは大変だし。」

それを聞くと、途端に眠気に襲われた。

「じゃ、まったね〜。」

落ちていく瞼の隙間から、神が笑顔で手を振る様子が見えた。