いきたい僕ら

パチン、と神威が壁のスイッチを触る。

途端、部屋の奥が明るくなる。

「っ……!これは……どういうことですか?!」

そこには大量の死体があった。

男女は様々、だけどどれも10代半ばの子供の顔に見えた。

みな一様に首を、ちょうど頸動脈の辺りを切られている。

慣れていない者が見たら失神するか、そうでなくても吐き気を抑えられないだろう。

見慣れてる僕でも、気持ち悪くなるくらいなのだから。

「いくら裏社会の実験でも、こんなこと許されない!お前らはここで、何の実験をしているんだ!!」

僕はそいつから距離をとって、いつでも打てるように拳銃を構えた。

神威は両手を上げて、笑いながら言った。

「おっと失礼、間違えました。」

そしてもう一度壁のスイッチを触ると、部屋の中央、ちょうど僕の真上のライトがついた。

足元を確認すれば、手紙でワシのマークの横にあった、燃える目と六芒星を見ることができた。

それはまるで、巨大な魔法陣のように部屋いっぱいに広がっていた。

その奇妙な光景に、気が狂いそうだった。

「なかなか骨が折れる作業でした。これだけの生き血を用意するのは。」

「生き……血?」

魔法陣をよく見る。

赤黒いそれは、拷問部屋についている色と同じだった。

ひとつ深呼吸をして、無理矢理心を落ち着かせる。

「……あなたたちの実験とは、この魔法陣のようなものですか?」

神威は手にナイフを持ってゆっくりと僕に近づいてくる。

「はい。そして、あなたで完成します。」

僕で完成……?

拳銃を構え直し、神威を睨むが、止まる気配はない。

「本当は蓮斗で完成させ……」

「っ……!」

レンの名前が出た瞬間、僕は引き金を引いていた。

それはまっすぐに神威……八神威織の心臓を貫いた。

八神が倒れたのを確認し、梨杜さんへの報告のために携帯を取り出そうとした時に、異変は起きた。

突如として魔法陣が光り出したのだ。

「……!!」

あまりの眩しさに目を閉じる。

眩しさがおさまり目を開けると、僕は真っ白な空間におり、少し離れたところに見覚えのない男性が立っていた。