いきたい僕ら

……朝起きて、レンの様子を確認する。

「よし……」

どうやらまだちゃんと眠っているようで、起きる気配は全くなかった。

梨杜さんは部屋にいなかった。

部屋の奥の洗面所を借りて顔を洗う。

「あ、服……」

昨日は泊まるつもりはなかったから、仕事着を持ってきていない。

今から帰って着替えるってなると、時間は結構ギリギリだ。

そんなことを考えていると、梨杜さんが扉を開けて入ってきた。

なにやら荷物を持っている。

「お、起きてるな。ほらこれ。仕事着と武器な。」

そう言って持っていた荷物を渡してきた。

「あ、ありがとうございます……。」

渡されたものを確認すれば、確かにいつもの仕事着とよく使う拳銃、そしてその他予備の武器がいくつか入っていた。

わざわざ施設まで取りに行ってくれたみたいだ。

手早く着替えて、ポケットに武器を入れていく。

「足りないものはないか?」

「はい。」

僕たちの部屋にあったやつをとりあえず持ってきたんだろう、不足はなかった。

「ならよかった。」

……梨杜さんのおかげで準備はできた。

「……そういえば、」

僕は梨杜さんに話しかけた。

「八神はどうするんですか?言ってくれれば始末してきますけど……。」

八神本人かは分からないし、一度死んでるから殺して死ぬものかも分からないけど、何もしないよりはいいだろう。

何より僕の本来の仕事はそれだし。

梨杜さんは少し考えて返事をした。

「……いや、今はそのままでいい。『イーグルサイト』と敵対することは今は避けたいからな。」

「わかりました……。」

僕としては、すぐにでも消したい。

できればレンが気づく前に無かったことにしたいけど、独断でやることはできないからしょうがない。

「でも、自分の身が危ないと思ったら殺せ。」

「はい。」

ふと、部屋にかかっている時計を見る。

気づけば約束の時間の20分前になっていた。

「梨杜さん、そろそろ行きます。レンのこと、よろしくお願いします。」

「はいよ。健闘を祈る。」

それを聞いて、一度お辞儀をしてから部屋を出た。