いきたい僕ら

……そしてやってきた週末、日曜日。

僕とレンは、2人で電車に乗っていた。

日曜日ということもあってか、電車には人が多く、座ることはできなかった。

たまには立っているのも悪くないか。

電車が進むに連れて表情が重くなっていく僕に気を遣ってか、レンは明るい調子で話し出した。

「律樹さん、俺電車乗るの多分初めてなんですよ。こんなに速いものなんですね。」

「……うん。」

返事はしたものの、言ってる内容は全く頭に入っていない。

心配させまいと、なんとか笑顔を作ろうとするけど上手くできなかった。

「あ、あそこ。観覧車見えますよ!大きいですね。」

「……うん。」

珍しく何も考えずに、ぼーっとしていた。

「……律樹さん、大丈夫です?」

「……うん?ごめん、なんて言った?」

かろうじて何か質問されたことはわかった。

「大丈夫ですか?なんかぼーっとしてますけど。」

「あぁ……大丈夫だよ。ちょっと、疲れただけ。」

笑顔を作って答える。

今度は上手くできた。

「そうですか……。席、空いてますよ?」

そう言われて周りを見渡せば、あんなにたくさんいた乗客はもうほとんどいなくなっていた。

「そうだね。座ろうか、レンも。」

目的の駅まではもう少しかかる。

僕たちは長椅子の隅に腰掛けて、時間が過ぎるのを待った。