いきたい僕ら

今日は月曜日。

もともと人がいることはないから、他の子供とおもちゃの取り合いになることはない。

やりたいことができるのだ。

「えーと……俺、小藤朝陽。6歳!呼び捨てでいいよ。」

何を話せばいいのか分からなくて、とりあえず自己紹介をした。

「……僕、律樹。相火律樹です。まだ、4歳……。」

「まだ4歳……今年5歳?」

律樹は頷いた。

「へへっ、じゃあ俺のが1個お兄ちゃんだ!」

律樹はまた頷いた。

今度は少し嬉しそうだった。

「律樹、何して遊ぶ?」

せっかくなら、律樹のやりたいことをやらせてあげたかった。

俺はお兄ちゃんだから。

律樹は不思議そうな顔をして、おもちゃ箱の中を覗く。

そして、積み木を指さした。

「これ、やろ。」

「お!積み木な!いいよ、やろ!」

こうして、俺たちは積み木を取り出して、あーでもないこーでもない言いながら色々なものを作った。

いや言っていたのは俺だけで、律樹は表情で会話していた。

お城だったり、門だったり、果ては単純にどっちが高く積めるかゲームをしたり……。

面白みも何もない遊びだったけど、律樹と一緒にやると、不思議と面白かった。

「……朝陽、くん、これ楽しい?」

遊んでいると、律樹が心配したように声をかけてきた。

「へ?俺は楽しいけど……律樹、楽しくない?」

俺が問いかけると、律樹はふるふると首を横に振った。

「よかった。俺だけ楽しんでんのかと思った。」

俺の返事を聞くと律樹は嬉しそうな笑顔になり、だけどすぐに悲しそうな顔になった。

「……律樹?どうしたの?」

「朝陽くんは、どうして僕と遊んでくれるの?」

それは純粋な疑問というよりは、確かめたいだけのように見えた。

この人は自分に害がある人なのか。

自分を見捨てる人なのか。

自分と、心から仲良くしてくれる人なのか……。

このときは大して思わなかったけど、今になって律樹をここまで卑屈にした幼稚園の奴らに腹が立ってくる。

もうどうにもならないことだけど。

俺は律樹を安心させるように、頭を撫でてやった。

「俺が律樹と遊びたいから、遊んでるんだよ。」

一緒に遊んだのは今日が初めてのはずなのに、もうずっと前から一緒にいたかのような安心感があった。

律樹の目を見て言う。

「律樹は違うの?」

律樹は首を振った。

「そっか!」

俺は笑って、また律樹の頭を撫でてやった。

なんとなくそうしてあげたい気分だった。

律樹はされるがままになっていた。