いきたい僕ら

「人員と費用を貸していただきたい。もちろん、相応の謝礼はいたします。」

そう言いながら、プリントの束を差し出してきた。

僕はそれを受け取り、内容を確認する。

一通り確認を終えて、後ろのレンに手渡した。

……少しチャレンジしてみよう。

「僕に決定権はないのでなんとも言えませんが、さすがに情報が少なすぎる。安全確認のためにも、その実験をしている場所を見せてもらうことは可能ですか?」

実験の内容さえ教えてくれなかったのだ。

資料にも、借りたいものとその謝礼、そして期限が書いてあるだけで、実験そのものについては何ひとつ載っていなかった。

だからおそらく断られるだろうけど、聞いてみる価値はあるだろう。

反応を見るだけでも、十分情報になる。

目の前の人間はしばらく考え込んだあと、何かを思いついたように少し顔をあげ、話し出した。

「……分かりました。」

……ほう?

「ただし、来ていいのはあなた方2人だけです。そのマイクも外して、今周りにいる方々も連れてこない。そういう約束ならいいでしょう。」

後ろでレンがナイフを構えようとしているのがわかった。

正直僕も驚いた。

……でも、ここまで来て引くわけにはいかないよな?

チラリとレンに視線を向け、動きを制する。

レンが深呼吸をして、ナイフをしまったのを確認してから返事をした。

「……分かりました。条件を飲みましょう。日時についてはどうしますか?」

こっちから連絡を取る術はない。

だからここで決めるしかないのだ。

「来週末、14日でどうでしょう?今日と同じ時間、ここに来ていただければ案内いたします。」

「ではそれでお願いします。」