いきたい僕ら

……やってきたバスに乗り、席に着くと同時に僕はまた眠ってしまった。

「……律樹さん、次ですよ。」

そう言うレンに起こされた。

「ん……ありがと。」

本当に体力が落ちた。

「……ねぇレン、僕が飛び降りてからどのくらい経ってるの?」

携帯を確認すれば日付なんて簡単に確認できるんだけど、今はちょっと恐ろしくて見れないからレンに聞いてみた。

「えーっと、確か1週間くらいですね。」

「ふーん……。」

つまり朝陽が死んでから1週間……。

「あんまり驚かないんですね。」

「そうだね……それよりも僕はレンが驚いてないことに驚いてるよ。普通飛び降りなんて聞いたら驚かない?」

僕がそう聞くと、レンは落ち込んだ顔になった。

「……それは、見たので。」

「見た?」

目的のバス停に着いた。

バスを降りてから、レンは話してくれた。

「俺、律樹さんが飛び降りる瞬間、見たんですよ。」

声が震えていた。

「俺のせいだって思った。全部、知ってたのに、律樹さんに話さなかったから。俺が律樹さんを殺したんだって、思ったんです。」

レンは泣きそうになりながら続けた。

「人が死ぬのは怖くない。でも、律樹さんが死ぬのはすごく怖かった。それも、俺の責任で死んだんならなおさら。辛くて、苦しくて、気が狂いそうで。死ぬかと思いました。」

僕はレンの頭を撫でた。

ここにも、僕が泣かせた人が1人。

「……ごめんね、レン。」

「もう……しないでください……。」

僕より大きいはずの背中が、すごく小さく見えた。

「大丈夫。もうしないよ。」

レンを抱きしめて、頭を撫でた。

「……ありがとうございます。」

「もう大丈夫?」

「はい。」

「じゃ、行こうか。」

レンの顔は、ついさっきまでよりも幾分かスッキリしていた。