いきたい僕ら

途中でレンに起こされながらなんとか電車に乗り継ぎ、やっとバスに乗った頃、僕の携帯に着信があった。

確認すると梨杜さんからだった。

まぁ、さすがにそうか。

僕らが病院を抜け出してからもう2時間は経ってる。

誰かしらが手紙に気づいて、梨杜さんに連絡を入れててもなんの不思議もない時間だ。

「出ないんですか?」

レンが聞いてくる。

「うーん、出てもいいけど、バスの中だから……。」

まだそんなに人が乗る時間ではないとはいえ、公共交通機関での通話は憚られる。

着信は切れる気配がなかった。

「しょうがないか……。」

僕はバスのボタンを押して、次の停留所で一度降りた。

次のバスの時間を確認し、椅子に座って電話に出る。

すぐに梨杜さんの怒鳴り声が聞こえた。

『おい、こら律樹!お前何やってんの?!』

絶対やばいと思って耳からかなり離していたけど、それでもはっきりと聞き取れた。

隣のレンも、若干引いてる。

『一体何を考えて、今どこにいるのか、全部話してみろ!』

さっきより少し声量は下がったけど、まだ全然大きかった。

「今は話せません。でも、必ず戻ると約束します。」

それだけ言って、通話を切った。

ついでに電源も。

「いいんですか?」

レンが心配したように声をかけてくる。

「後で雷が落ちるね。レンには落ちないように頑張るよ。」

苦笑いで答えると、レンも少し笑って言った。

「死なば諸共ですよ。一緒に怒られましょう。」

「ははっ、心強いや。」