いきたい僕ら

「だったら無関係じゃないし、ちょっとしたことでも教えてほしいはずだよ。遺された人は。」

どんな最期だろうと、知りたいと思うのが親心ってものだと、僕は思う。

本当の家族じゃなくても、彼らは間違いなく、親子だったんだから。

朝陽は絶対に認めないだろうけどね。

「……じゃあ、ついていきます。」

レンは少し考えて、そう返事をした。

どこに行くか、大体予想がついて、緊張しているらしい。

「結構遠いから、もう出ようか。置き手紙だけ、置いておこう。」

さすがにいきなりいなくなったら別の騒ぎが起きる。

かといって、行き先まで伝えるのは、なんか嫌だった。

僕は紙に「ちょっと出かけてきます。」とだけ書いて、ベッドに備え付けられているテーブルに置いた。

飛んで行かないように重石も。

「置き手紙書くくらいなら直接言えばいいのに……。」

「それだと止められるでしょ。今すぐに、行かないといけないんだから。」

誰にも見つからないよう、気配を消して歩きながら小声で会話する。

どれだけブランクがあっても、7年の経験はバカにはできなかった。

誰にも見つかることなく病院を抜け出し、僕らは電車に乗っていた。

「えーっと、これから電車を乗り継いで、バスに乗って、歩いて……全部で大体3時間半かな?」

朝陽が住んでた家までの時間を計算する。

「遠っ!律樹さん、寝てていいですよ。そんなんじゃ体力持たない。」

レンが驚いたように言った。

「うん……そうさせてもらうね。着いたら……起こして……。」

そう言いながら、もう半分寝てた。

技術はどうにかなっても、落ちた体力はすぐには戻らない。

僕の体は、僕が思っているよりも疲れているようだった。