いきたい僕ら

……辛かった。

痛かった、苦しかった。

……死んだほうがマシだ。

大好きな人に、大っ嫌いなんて言われたくなかった。

「……やだぁ……朝陽には、嫌われたくない……大好きなのにぃ……朝陽なんて、大っ嫌いだよぉ……朝陽ぃ……。僕、もぉわかんない……嫌いだぁ……。」

結局、僕には泣くことしかできない。

『律樹。大丈夫、大丈夫。律樹には、蓮斗くんがいるから。大丈夫だよ。』

「いるけどぉ……レンは、いるけどぉ!朝陽はいないじゃん……なんで朝陽はいないのぉ……?やっぱり、大っ嫌いだぁ……。」

『俺がいなくても、律樹は大丈夫なんだよ。ほら、蓮斗くんは律樹のために泣いてるんだ。だから蓮斗くんのところに戻らないと。それとも俺よりも蓮斗くんの方が嫌いなの?』

……朝陽のほうが、僕の100倍は上手だった。

「……嫌いじゃない……でも、朝陽の方が……。」

『律樹。それ以上はだめ。俺は律樹が大っ嫌いだから、早く帰ってほしいんだよ。』

「……やだよぉ……せっかく、会えたのに……こんなの、嫌だぁ……。」

朝陽はやだやだ言う俺に、何度も大丈夫だと言ってくれた。

僕が泣き止むまで、ずっと……。

……これ以上、朝陽を傷つけたくなかった。

「……朝陽、ありがとう。」

『帰れる?』

僕は頷いた。

『律樹、手、当てて。』

「うん……。」

言われた通り、両手を壁に当てた。

朝陽はその手に手を重ねた。

『絶対に、大丈夫だから。律樹は俺が守ってやる。だから、安心して帰りな。』

「……うん……朝陽……ごめんね。大好き……!」

『俺もだよ、律樹。元気で……。』

それを聞いた直後、ふわりと僕の意識は浮上した。

最後に見た朝陽の顔は、いつもの笑顔だった。