いきたい僕ら

『俺、学校でいじめられててさ。それが嫌で自殺したんだ。あのまま生きてても、俺は屍だ。死んでるんだよ。』

「なんで……」

『あ、律樹。復讐とか馬鹿なこと考えるなよ?俺はこれで満足だから。』

朝陽は笑っていた。

悲しい笑顔だった。

……助けを求めたんだ。

手紙で。

「やっぱり……僕のせいじゃん……。」

『だから、違うって。律樹のおかげで、俺は飛ぶ勇気が出たんだから。だからさ、律樹、俺の代わりに生きてよ。』

「……」

僕は涙を拭って立ち上がった。

泣き落としはダメ。

冷静に説得しても、朝陽に勝てるわけがない。

「……ねぇ、朝陽。」

じゃあどうするか。

『なんだ?』

僕も、朝陽も、1番嫌なことをするしかないじゃん。

「約束、したよね?僕。勝手にどこにもいかないって。」

朝陽は気まずそうな顔をした。

「今から朝陽のこと、傷つけるよ。」

『……』

「なんで約束破るの?僕のことだけ縛りつけといて、自分は鎖噛みちぎって逃げてるのに、僕だけまだ苦しめって?そんなに僕を苦しめて、朝陽は何がしたいわけ?生きることが僕の幸せだと思ってるなら大きな間違いだよ。僕はずっと消えたかった。死ぬことこそが、僕にとっての救いだ。なんでそれが分からないの?どうせ死ぬなら、僕は朝陽と一緒がいい。どこまでも、一緒にいきたかった。」

『……』

朝陽は何も言わなかった。

僕はトドメを刺しにいった。

「ずっと、朝陽のことは好きだったよ。大好きだった。でも僕、今の朝陽嫌い。大っ嫌い!」

『っ……』

……こう言えば、朝陽は僕が朝陽のほうに行くことを許してくれる。

『……それでも、生きろ。』

「っ……なんでさ……なんでそうなのさ?!嫌い!朝陽なんて大っ嫌い!僕のことなんて、朝陽はどうでもいいんだ!もう朝陽なんて大っ嫌いだぁ……!」

『……律樹、俺は好きだよ。律樹のことが大好きだから、どれだけ嫌われても律樹には生きててほしい。約束破ったことは謝るよ。ごめん。こんなんじゃすまないかもしれないけど、本当に悪いと思ってる。でもごめん。俺は、どれだけ明るく考えても、生きていける気がしなかった。』

「……朝陽のばかぁ。もう嫌い……。」

『あぁ、嫌いでいいから。律樹、ごめんね。本当にごめんね。それでも俺は、律樹に生きててほしいから。』

朝陽はそこで言葉を切って、僕の目を見た。

『……俺も、大っ嫌い。』

「っ……」

『だから、帰って。』