いきたい僕ら

「あ……あぁ……」

俺は後ずさる。

「嫌、だ……。」

血の気が引いていくのがわかる。

「……俺が、1人にしたから……。」

……いや自分を責めるのはあとだ。

「っ……!」

俺は走った。

これ以上は無理なんじゃないかというほど、走った。

そしてナースセンターに行き、叫んだ。

「誰か!助けてっ……律樹さんが、早く!!」

看護師たちは困惑した様子だった。

「……君、落ち着いて。1回深呼吸しようか?」

看護師の1人が、優しく声をかけてくる。

俺はそれを無視して、声を荒らげた。

「時間がないんだ!飛び降りて、律樹さんが……死んじゃう!!」

飛び降り、の言葉に反応したのだろう、看護師の間に驚きと焦りが広まった。

「ねぇ!早く来て!!」

「わかった。場所わかる?」

俺は頷いて走り出した。

後ろを何人かの看護師がついてくる。

エレベーターを待つ時間も惜しくて、階段を使った。

俺は走りながら携帯を取り出し、梨杜さんに電話をかける。

相手はすぐに出た。

『珍しいな。お前が電話かけてくるなんて。』

「梨杜さん……ごめんなさい!」

いつの間にか泣いていた。

「俺がいたのに……俺が、いなくて……」

息が苦しかったが、足を止めることはできなかった。

『は?蓮斗、一旦落ち着け。ゆっくりでいいから。ゆっくり、1つずつ話してごらん。』

「わかってたのに!今は……今は危ないって、わかってたのに……!」

梨杜さんの言葉は俺には届いていなかった。

ただ、自分のことを伝えるので精一杯だった。

『蓮斗、深呼吸しろ。落ち着くんだ。ゆっくりでいいから。』

やっと病院の出入り口に着いた。

そこを出て、病院の裏側へ走る。

「俺が、1人で……律樹さんがいなくて……」

『大丈夫だから。何も心配いらないからな。だから落ち着けって。』

「屋上で、落ちて……律樹さ……!!」