いきたい僕ら

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律樹さんに部屋を追い出された。

これまで同じ部屋で生活してきたけど、こんなことは初めてだった。

俺は食器を返してから入院病棟の入り口にある待合室に向かい、椅子に腰掛けた。

ここからなら律樹さんが出てきた時によく見える。

昨日の夜から、律樹さんの様子は明らかに変だった。

今までも何回かおかしな律樹さんは見たことがある。

墓参りの帰りの電車なんかはいい例だ。

その時の律樹さんは、あくまで「壊れそう」だった。

でも昨日から今朝にかけての律樹さんは、「死にそう」だった。

「壊れそう」と「死にそう」は全然違う。

壊れるだけなら、まだなんとかなる。

どれだけ時間がかかろうと、俺がなんとかして直すことができる。

直してみせる。

だけど、死んでしまったら何もできない。

無から有を作り出すことができないように、亡くなった命はもう戻ってこない。

律樹さんは、余程のことがなければ死なない、と言った。

でも俺は、その「余程のこと」が起きる事を知っている。

知っている事を律樹さんが知らないことも、知る可能性がほぼゼロだということも。

全部、知っている。

だから大丈夫だと思って、律樹さんの希望を聞いて、1人にした。

この判断が合っていたのかはわからない。

でもしょうがないだろ?

律樹さん、結局俺のことを頼ってくれないんだから……。