いきたい僕ら

レンに見張られながらそれを食べる。

ご飯を食べ終えた頃、僕はレンに声をかけた。

「ねぇレン。このあと、僕を1人にしてくれない?」

「いやです。」

少しも考えることなく、そう返事をしてきた。

とってもいい笑顔をしております。

「もう少し考えても……。」

「ダメです。」

まだ言い終わってない。

「なんで?」

そこまで言うなら理由は聞きたい。

それによっては説得できるかもしれないから。

レンは珍しく真面目な顔をして話し出した。

「だって律樹さん、なんか危ないから。」

……危ないって?

「昨日の夜うなされてて、起こしたら朝陽さんと間違えられて。律樹さん、自分ではわからなかったかもしれないんですけど、そのとき、今にも死にそうな顔してた。このまま外に出したら絶対に帰ってこないと思ったから、薬で無理やり眠らせて……。」

「……」

レンは泣きそうな顔になって続けた。

「律樹さん、教えてください。何があったんですか……?」

その様子から、本当に僕のことを心配しているんだってことがわかった。

それがなんだか嬉しくて、僕は少し笑った。

レンの頭を撫でながら伝える。

「……何もないよ。ただ、1人になりたいだけ。それに、『死にそう』ってだけで僕は死なないから。死ねない、から。余程のことがなければ、大丈夫だよ。」

できるだけ優しく、安心させるように続けた。

「だから、少しでいい。少しだけ、僕に1人の時間をちょうだい?」

レンは僕から目を逸らして尋ねてきた。

「……余程のことってなんですか?それが起こらない保証はあるんですか?」

珍しく聞き分けが悪い。

それだけ、昨日の僕が異常だったんだろう。

……できれば話したくない。

思い出すだけで、考えようとするだけで、自分がおかしくなっていくのが分かるんだから。

でも話さないと納得してくれないだろう。

「……朝陽が、死ぬことだよ。」

「……!すい、ません……。」

弱々しい声でレンはつぶやいた。

「大丈夫。僕たちにとって人は簡単に死ぬものだけど、朝陽にとってはそうじゃないから。100パーセントないとは言い切れないけど、可能性は限りなく低いと思うよ。」

レンに、と言うより、自分に言い聞かせるように言った。