いきたい僕ら

……次に目を覚ましたときには、もう昼近くになっていた。

隣にはレンが座っていて、僕が起きたことに気づくと声をかけてきた。

「おはようございます。俺のこと、わかりますか?」

「レン……。」

そう答えれば、レンはふわりと笑った。

「よかった……。昨日はすみません。焦ってかなり強い薬を使っちゃいました……。体、なんともないですか?」

言われて手足を動かしてみる。

起き上がると、多少ふらつく感覚はあるが、それも致命的ではない。

強いて言うなら、お腹の傷がまだ痛むだけだ。

「大丈夫そう。」

「よかった……。俺朝食……もう昼食か。貰ってきますね。」

レンはそう言って、部屋を飛び出して行った。

聞きたいことも言いたいことも山ほどあるだろうけど、何も言わなかった。

部屋には僕1人だけになった。

泣きたいのを堪えて、無理やり頭をまわす。

……意味がわからなかった。

なんで昨日に限ってあんな夢を見たのか。

今まではどんなに恐ろしい夢でも、家族しか出てこなかった。

それなのに朝陽が出てきて、僕の目の前で飛び降りた。

よりによって、みんなと同じ日に。

あれは夢だ。

だとしたら僕の想像の産物ということになる。

多分僕の考えうる「最悪」があれなんだ。

無意識に、自分の胸の部分の服を握りしめていた。

恐ろしくなった。

自分の呼吸が荒くなっていくのを感じた。

だってあれは夢にしてはやけに……。

「戻りましたー!」

「はっ……!」

レンが勢いよく扉を開けて入ってくる。

まるで全てを忘れさせるように。

「ん?どうかしました?」

「いや、なんでもない……。」

明らかに、なんでもないようには見えないだろうけど、僕の問題にレンを巻き込むわけにはいかなかった。

「そうですか……?」

不思議そうではあるが、何も聞かないでいてくれた。

「これお昼ご飯です。ちゃんと食べてくださいね。」

そう言って、僕の前までご飯を持ってきてくれた。