いきたい僕ら

『それは友人として?それとも、別の意味?』

からかったように言ってくる。

「……どうでしょう。」

『まぁ、どうでもいいや。』

俺の返事を聞いて、本当にどうでもよさそうに言った。

表情がコロコロ変わる人だ。

『でもさ、君、律樹からは君と同じ「好き」を向けられてないだろ?』

「……」

答えられないのは図星だから。

『君が律樹に向ける気持ちは、律樹が俺に向ける気持ちと同じだと、俺は思う。ねぇ、嫌にならない?自分を通して、自分じゃない誰かを見られるのは。辛くない?いっそのこと、全部壊してしまおうって、思わない?』

……。

「……思いません。」

『本当に?』

意地の悪い人だ。

どことなく、律樹さんに似てる気がする。

「……俺はただ、律樹さんに生きてて欲しいだけなので。俺の気持ちは二の次でいい。とにかく、律樹さんの負担をすこしでも減らせれば、それでいいんです。」

事実だ。

自分勝手で、自己満足で、独りよがりな。

人にはそれはやめろって言うくせに、自分はそうやって満足する。

俺の返事を聞いて、朝陽さんは少し笑った。

『そっか……』

その変化に戸惑いながら声をかける。

「朝陽さん……?」

『律樹はもう、大丈夫なんだね……。』

しみじみと、朝陽さんは言った。

「どういう意味ですか?」

『そのままの意味だよ。律樹はもう、1人じゃない。俺なんかいなくても大丈夫なんだ。』

その言い方に違和感を覚えた。

それじゃ……それじゃまるで……。

「朝陽さん、何をするつもりなんですか?」

朝陽さんはなんてことないように、さっきと全く変わらない様子で答えた。

『ん?飛び降り?』

「は……?」

咄嗟に言葉が出てこなかった。

『投身自殺。しようと思って。』

「……そんなことして、律樹さんがどうなるか、分からないわけじゃないでしょう?!」

多分この人は俺よりも律樹さんのことを知っている。

律樹さんがどうなるかなんて、考えるまでもないはずだ。

『そうだね。律樹、だめになっちゃう。』

「じゃあなんで!?」

声を荒らげる俺とは対照的に、朝陽さんは落ち着いた声で話した。