色恋沙汰はどこまでも



 あの後、しばらくして龍が戻ってきて一緒に夜ご飯を食べた。いつも通りの龍に戻ってて、さっきのがなんだったのかは謎。なにより日髙とあんなことがあったのにも関わらずしっかりお腹は空いて、食欲もバンバンにある自分を褒めてあげたい。

 ご飯も食べてお風呂にも入って龍とリビングで適当に寛いでた時、例の人物からようやく返信がきた。

 《悪い、遅くなった。今ちょっと電話できるか?話したいことがある》

 話したいこと……?なんか急用っぽいな。

 《大丈夫です、電話できます》
 《んじゃ俺からかけるわ》
 《わかりました》

 「龍、ちょっと電話してくるね」
 「うい」

 部屋に戻ったタイミングでちょうど電話がかかってきた。

 [はい]

 [あ、悪いなこんな時間に]

 [いえ]

 [明日ちょっと会えねーか?]

 ん?明日って土曜日だよね、休みだよね、どういうこと?担任と生徒が休みの日にプライベートで会うって……デート?なわけがない。たぶん日髙のことでしょ。理事長に呼ばれたっきり戻って来なかったしね。

 [別にいいですけど]

 [ああ、心配すんなー。ちゃんと親御さんには許可取ってあっから]

 [はあ]

 いや、そこの心配はしてないけども。

 [明日朝イチで羽柴ん家に迎えに行くから準備頼むぞー]

 [あー、はい。わかりました]

 [んじゃ、夜更かしすんなよー。おやすみ]

 教師から『おやすみ』っていうワード聞くのが違和感ありすぎてどう反応していいのか一瞬戸惑った。まあ、ここは普通に『おやすみなさい』でいいのか。