色恋沙汰はどこまでも

 「愛する人を愛でたいと思うのは変態ではありません、至極当然のこと。凛子様のリコーダーをべろべろしたかった……それが僕の心残りです!!私は凛子様の鼻かみティッシュすらもコレクションにしたい!!」

 「歩く18禁かおまえは!!」

 ていうか、なんっで日髙がヒステリックになってんの?ヒステリックになりたいのどちらかと言えば私なんですけど!?

 「だいたい私がリコーダーぴーぴー吹いてたと思う?リコーダーなんて持ったことすらないわ」

 「ガッッテェェム!!そ、そんな……凛子様の使用済みリコーダーがこの世に存在してない……だと?そんな世界失くなってしまえばいいのに。僕と凛子様で1からこの世界を作り直しましょう。1人目は女の子男の子どちらがいいですか?」

 ねえ、なんかもう気持ち悪いの度が振り切りすぎてて引くっていうレベルすら凌駕したからもう“無”でしかないんですけど。

 「あの、その手いいかげんにしないとへし折りますが?」

 「ならその両手、僕の顔から離してみては?」

 日髙の顔から手を離せばお腹を直で触ってる手をへし折ことは可能、たぶん。でもこの手を離したらこいつ絶対にキスしてくる、これは断言できる。まあ、さすがの日髙もこれ以上はなにもしてこないだろうし、お腹を触られるくらいちょっと我慢すれば……って我慢とか無理!変な触り方してくるし、こいつ!

 ぞくぞくして、全身を縛られて支配されていくようなこの感覚、私は知らない。

 「凛子様、僕がこれ以上なにもしないとお考えなら詰めが甘いですよ」

 「は?ちょっ!?」