「はぁ、なんか疲れた」
なにに疲れたの?ってあいつしかいないよね、察してください。そう日髙です、日髙聡です。なぜかヌルッと出てこなくなったし、このまま一生出てこないでほしいんだけど。あ、担任にライクしようかな。もしかしたら、なんか情報持ってるかもしれないし。まあ、ただの擬人化文房具でさえ情報不足なんだから、日髙なんてトップシークレットだろうな。
「ていうか、担任とプライベートで連絡取り合うって今どき普通?学校にバレて大事になるとかない……よね?そういうのめんどいしなぁ」
でも、担任から渡してきたわけだし問題はないよね、たぶん。担任から渡されたメモを見ながらID検索っと。
「あ、出てきた」
堀江信宏……うん、担任で間違えなさそう。ていうかトプ画缶ビールタワーとかどんなセンスしてんのよ。えーっと《こんにちは、羽柴凛子です。SSSのことでちょっと聞きたいことあるんですけど。》っと。
「はやっ」
すぐ既読になった……わりに返事が一向に来ない眠いし。ベッドに座ってそのまま倒れ込むように寝転ぶと、スマホを持ったまま寝てしまった。
── 妙に安心する温もりといい匂いに包まれて、少し振動して程よく揺られてるような。ん?なんかスーハースーハー聞こえるし、ハァハァ聞こえるのは一体なんなの?
パチッと目を開けると、なぜか添い寝して微笑んでる日髙と目が合った。ていうか、おまえなにしてんのマジで。
「すみません。凛子様の寝顔があまりにも可愛らしくてもう我慢の限界で。凛子様の寝顔と甘い香りをオカズにします」



