色恋沙汰はどこまでも

 「ごめん、あまりの衝撃に我慢できなかった。普通さ、そういうのってちゃんと私に言うもんじゃない?なに考えてんのかな、うちの親は」

 「まあ、俺に言ったからいいだろって思ったんじゃないっす?知らんすけど」

 「んな適当な……ってちょっ、投げないでよ」

 プイッとそっぽ向いて私にタオルを投げてきた龍。

 「つか着替えたらどうすか、透けてますけど」

 胸元にお茶が溢れてて、ちょっと下着が透けてるけどほっとけば乾くレベルだし大丈夫でしょ。

 「え?ああ、別にこんくらいっ」

 「凛子さん。そうやって女捨てんのも大概にしとたほうがっ」

 「捨てたつもりは一切ないんだけど?黙って」

 「ああ、そうすか。風邪引かれても面倒なんで着替えてください」

 「はぁー、ほんっと過保護か“龍お兄ちゃん”は」

 「きっしょ。やめろそれ」

 ま、龍と私はだいたいこんなもん。龍が家にいることなんてザラだし、龍がいてくれるのは家事全般が死ぬほどできない私にとっては非常にありがたい。だけど、龍と日髙の相性悪すぎて面倒なことになりそうな予感しかしない。

 これは、波乱の幕開けなのかも──。