「はぁ、めんどくせぇ」
理事長から呼び出し食らったっつーことは、まあほぼ確でSSSのことだろうな。契約が結ばれた瞬間、調査委員会に通知がいくよう設定されてるとは聞いたことあるが、こんなにも仕事が早いとはねえ。
「やれやれ。これだからしごできは嫌んなるよ、ほんっと」
羽柴凛子……SSS使わせてちょっとでも接点増えりゃいいとか、死ぬほど柄でもねぇこと考えてたがありゃミスったなぁ。
「なにしてんだ俺、アホらし」
生徒と担任でしかないはずだ。そうあるべきだと何度も言い聞かせたはずだろ。あの時、見かけなきゃこんなことにはならなかったのにな。
数ヶ月前、俺は街中で羽柴を見かけた。当たり前だが彪ヶ丘に入学する以前の話であって、そもそも羽柴の存在すら知るわけねぇだろ?どんだけ年の差あると思ってんだ。俺、今年で27になるおっさんだぞ?まあ、そんな話はどーでもいいか。あん時、コンビニで酒を買った帰り道だったな。
── 数ヶ月前
「昼間っから酒飲める幸せよ」
ド平日、用事もねぇくせに有休取ってダラダラしてるこんなテキトー人間な俺が教師だなんてびっくらぽん……っておいおい、あれ結構イイ女じゃねーか?なんつーかもうオーラが違ぇな、あーいう女は。ちょいとヤンチャ感が否めねえ感じの女で遠目からでも美人系っつーのが分かるが、近付くにつれてあどけなさがまだ残ってるツラが認識できる。



