「まさにディスティニーですね」
「はあ」
あのー、このくだり何回目?ていうか、デレデレしながら『ディスティニー』って言い方すんのやめてくんないかな。絶妙にキモくてゾワゾワする。そもそもこんなやつとディスティニーとか勘弁して、ほんっと無理。
「凛子様、ご機嫌斜めなようですね?どうかなされましたか?」
元凶は紛れもなくお ま え だ よ 。
で、ひとつ気になってたんだけど、なんで私以外の擬人化文房具は大人しくシャーペンのまんまなの?そもそも日髙聡はなぜ勝手に現れた?頭上に無数の疑問符が広がっていく。
「ご機嫌斜めな凛子様も愛らしくて食べてしまいたい」
『めっちゃイケメン!』『羨ましいー!』と騒ぐクラスの女子達。そんなにもこの変態が欲しいならあげますよ、どーぞ。
「おい羽柴、とりあえず一旦ソイツ戻せ。騒ぎが収まらん」
いや、戻せって言われても戻るの?これ。勝手に出てきたのに?SSSだかなんだか知らないけど、どう考えたって私との相性最悪なんだけど。計測し直したほうがいいんじゃない?適合率。ぜっったい0%な自信しかない。
「契約書にサインした時点でお前がソイツの契約者、要はマスターだ。契約者であるお前らがマスターならスペシャルズはサーバント」



