色恋沙汰はどこまでも

 だからもう一度、もう一度だけ。誰が触れても適合率0%、私なんて拒絶するように弾かれる始末。だけど、それでも── シャーペンにもう一度そっと触れると、さっきみたいに弾かれることはなかった。そのまま掴んで持ち上げつつ軽く握っても問題なし。さっきのはただの静電気だったかも。

 そして、メジャーメントウォッチが計測をはじめた。私のメジャーメントウォッチを覗き込むように美智瑠や菊池桃花、新藤君や松坂君が見守っている。

 「「「「「え」」」」」

 私達はメジャーメントウォッチに表示されている数値がグングン上がっていくのを目の当たりにしてマヌケな声でハモり、目が点になった。

 「「「「「適合率0%とは?」」」」」

 50%…70%…85%…90%…95%──。

 え、ちょ、こわっ、こわいって。止まんないって、なにこれ!?

 100%…120%…150%…180%…200%──。

 「「「「「これはさすがにバグなのでは?」」」」」

 ピピッ── “計測不能”。

 なんだろう、ものすんごく嫌な予感しかしない。こういう嫌な予感って大概当たるって相場が決まってる。勘弁してよ、私はただ普通の女子高生になりたいの、ただただ普通の学園生活を送りたいの。

 「羽柴、お前なにしたよ」