「これから適性検査すんぞ~。えー、もう知ってると思うが、擬人化文房具はお前達に見合ったスペックのもんしか用意されてません。高望みすんなよー」
一部の男子達は『うい~!堀江先生辛辣~!』と謎に盛り上がり、一部の女子達は『先生かっこいい!彼女いますか!?』とキャーキャー騒いでる。担任の堀江信宏。言うまでもなく適当そうな教師で女子が騒ぐのも納得な容姿してるのも言うまでもない。
「ハイハイ、おっさんの恋バナなんざ興味ねえだろ。なによりも重いぞ~、おっさんの恋バナは。んなことより、各自机の上に置いてあるメジャーメントウォッチ腕につけろ~」
高校入学時に自身と相性の良い擬人化文房具を選ぶことになってて、このメジャーメントウォッチは擬人化文房具との適合率を分析してくれるもの。
「利き手のほうにつけろよー」
利き手、要は字を書くほうの手。そっちの腕にメジャーメントウォッチをつけろってことね。
「ねえ、アンタ」
メジャーメントウォッチを腕につけている時に声がして顔を上げると、斜め前に座ってる女子が私を見ていた。人のこと言えないだろうけど柄悪そうな子だな。
「なに」
「羽柴凛子ってあの西中の?」
「そうだけど」
「へえー」



