色恋沙汰はどこまでも

 「盛った野郎共がいんでしょ」

 「いやいや、そんなっ」

 「俺も行く」

 「はあ?」

 「保護者同伴オッケーなんすよね、だったらよくないすか」

 「えぇ……」

 そんなこんなで龍も保護者枠でグランピングへ行くことに──。

 当日案の定、『羽柴さんのお兄さん!?』『かっよくない!?やば!』『彼女いるの!?』『え!今年で21歳!?もっと大人っぽくみえるー!』等々プチ騒ぎになって、龍はうぜーみたいな顔して無愛想すぎるし、だったらついて来なきゃよかったのに。

 「ていうか、あれ?みんなのスペシャルズ達は?」

 「あー、なんか臨時メンテだって~。樹くんいないから気楽~」

 「黒井の奴がいなくてせーせーするわ~」

 「ぼっ、僕はゆのちさん達もいたらもっと楽しかっただろうなって、思ったりして」

 「そうだね。アオイがいないのもちょっと寂しかったりするかもな。いたらいたで面倒見んの大変だけど」

 なんだかんだ言ってスペシャルズ達がいないのが落ち着かないんだろうな。私はとっても穏やかな気持ち……のはずなんだけど、ちょっとモヤッとするのはなんでだろう。

 なんだかんだグランピング施設に行くまでの道中、寄り道したりして着いた頃にはもう夕食を作るタイミングになっていた。

 「う~し、んじゃうめぇもん作れよ~。俺は味見しかしんぞー」

 「さて、凛子様の為に腕によりをかけてっ」

 「は?え、は!?なんであんたがここにいるわけ!?」

 「ハハッ、愛の力です」

 「おい、クソ文房具。凛子さんに近づくな殺すぞ」

 「おや、番犬君も一緒でしたか」

 「あ?最初から見えてんだろ」

 「僕の瞳には凛子様しか映しませんので」