色恋沙汰はどこまでも

 ドカンと沸き上がる会場内。私は特に興味ないなーとか思いつつ、美智瑠達を見てみると分かりやすく燃えていた。え、なんでみんなやる気満々?

 「リンリン!本気出せよ!」

 「はあ……なんでそんなやる気なの、菊池さん」

 「ただ飯が食えんだろ!?」

 「ちょっと凛子!勝ちに行くしかないっしょ!」

 「はあ……なんでそんなやる気なの、美智瑠」

 「グランピングとか恋の予感しかないじゃん!?」

 「……あらそう」

 たぶんこれ、本気出さないと菊池桃花と美智瑠にシバかれるパターンのやつ。

 「頑張ろう!羽柴さん」

 「ぼっ、僕も頑張るので!」

 なんか新藤君も松坂君もやる気っぽいし、まあ私も頑張るしかないか。

 「フレーフレー凛子様!フレッフレッ凛子様!ワァーー!」

 やめろ、それマジでやめろ。応援団でもなんでもない日髙が応援団より気合いを入れた服装と馬鹿でかい声で私に声援を送ってくる。ほんっと勘弁して。

 「そういえばぁ、スペシャルズ達の競技も最後にあんでしょ~?」

 「あー、なんかリレーがあるっつってたなぁ黒井が」

 なんかそうなようなこと日髙が言ってたような気がするけど『ふーん、へえ』ってスルーしてたな。

 そんなこんなで始まった体育祭は接戦を繰り広げていた。

 「リンリンー!!いけいけ抜け抜けゴラァァ!!」

 「凛子ー!!もっと速く走れんでしょー!?抜かせー!!」

 「凛子様ー!!結婚してくださぁぁい!!」

 おい、それはちげーだろ。私にバトンを渡してきたのは松坂君、今現在2位の状態なわけで抜くにはちょっとキツい差がある。次私がバトンを渡すの新藤君だし、新藤君なら1位の人抜かしてくれると思うからこのまま2位でも……。