色恋沙汰はどこまでも



 ── 入学して落ち着き始めるってのいつから?だいたい4月は慌ただしく終わってゴールデンウィークに突入。で、5月の中旬もしくは下旬くらいには落ち着くよね?大概は。そんなこんなで6月に突入しました。擬人化文房具の成果もあるのか、クラス全体の学力も上がっててテストも上々。認めたくはないけど、私も日髙のおかげで赤点回避できたし。

 「あの、好きです!付き合ってください」

 「僕は凛子様以外興味はありません。お下がりください」

 「俺、凛子ちゃんのことが好っ」

 「僕の凛子様になにかご用で?」

 「日髙さん、あの付き合ってっ」

 「凛子様の道を妨げないでいただきたい」

 「羽柴ちゃん、可愛いし綺麗だしっ」

 「なに当たり前なことを仰っているのですか?この無礼者」

 「聡さんかっこいいー!ねえ、あたしとセックスっ」

 「穢らわしい」

 いや、おまえがそれ言うな。

 ていうか私はさ、普通の学園生活を送りたいだけの。なのに、なんでこうなった?なんなのこれ。怒涛の告白やらアピールやらもうウンザリ。日髙も日髙で引っ込んどけマジで。あんた目当ての女子が多すぎんのよ。面倒なのよ、嫌な目で見られるし本当にいい迷惑。

 「大変だなぁ!リンリン!」

 ゲラゲラ笑いながらベシベシ私の背中を叩く菊池さんに若干の殺意が芽生える。

 「きくちゃん、それはめ!だよ?りんちゃんいたいいたいの!」

 新藤君の擬人化文房具 アオイ君(5歳)に癒され芽生えた殺意がスッと消え、デレデレになりそうな顔を必死で抑えてるんだけど、たぶん抑えれてない。私は言うまでもなくアオイ君にメロメロ。