色恋沙汰はどこまでも

 「あの、契約破棄したいんですけど」

 「それは致しかねます」

 おい、さっきまであーだこーだ言ってたのそちら側ですよね?委員長さんとやらも黙ってないでなんとか言ってよ……って、なに。なんか死ぬほど敵視されてるんだけど?

 「悪いが“バグ”とやらを私の生徒に使わせるわけにはいかん」

 先生いいぞ、もっと言ってやって。

 「SSSは必ず羽柴凛子さんの役に立つでしょう。貴方の大切な生徒の“可能性”を奪うことになりかねませんが、それでもよろしいのでしょうか」

 「……こちらも条件がある。もし万が一、羽柴本人からどうしても懇願してきた場合は即対応してもらう」

 えぇ、せんせーい。折れるの早くなぁい……?

 「ええ、検討します」

 「……じゃあそういうことで」

 「ご足労いただき感謝します。では、SSSをこちらへ」

 「どーぞどーぞ」

 奇跡的に出てこなかった日髙のおかげ?ですんなり渡せて、擬人化文房具特別委員会本部を後にした──。