色恋沙汰はどこまでも

 「で、これは一体どういうことでしょう。貴方達には警告しておいたはずですが?凛子様には接触しないと」

 「これには事情ってものがあってだっ」

 「僕の凛子様に軽々しく口を利き、凛子様の凛とつつも可愛らしいこのお声を聞くなど言語道断です。無礼者は即刻死んでください」

 まただ、あの背筋がゾゾッとするこの感じ。とりあえず面倒事は勘弁してほしい。

 「日髙、もう戻って」

 「このビルこと抹消しましょう」 

 「日髙っ」

 「この際、凛子様と僕以外っ」

 「戻れ!!」

 スッと消えた日髙の気配。言霊縛り控えめに言って最高。

 「あの、どうするんですか。私はもう解約なりなんなりしたいんですけど」

 「……いや、私は貴女の存在価値を見誤っていました。申し訳ございません。数々の無礼をお許しください」

 「いえ、この僕が許しません」

 「おまえは勝手に出てくんな、戻 ど れ!」

 「SSSを使用するにあたって条件があります」

 「はあ、条件とは」

 っていやいや、なっんで使用を続ける方向で話が進んでんの?解約したいんだけど、もう契約なんて無かったことにしたいんですけど!

 「至ってシンプルです。私達はとにかくデータが欲しい。なので、金曜の帰校時にSSSをこちらに預けて欲しい。そして、月曜の登校時にお返しいたします。もちろん私達が彪ヶ丘学園に伺いますのでご安心を」

 「僕は凛子様と1分1秒1ミリ秒マイクロ秒も離れたくっ……」

 「も ど れ!」

 ちょこまかちょこまかと出てくんな、鬱陶しい!