第15章 - 心の決意
試練を乗り越えた後、紗奈は再び冷徹さを極めることを誓いながらも、心の中で司への感情がさらに強くなっていくのを感じていた。彼を超えたい、その気持ちと同時に、彼と一緒にいたいという気持ちが交錯し、紗奈は迷っていた。
「心を開くことが弱さなのか、強さなのか…」その問いが紗奈の心に大きな疑問として残った。
その日、放課後。紗奈は一人で静かな場所で過ごしていると、司が現れた。彼は冷徹な目で、少しだけ真剣な表情を浮かべていた。
「お前、どうした?」司は少し驚いたように問いかける。「いつもなら、すぐに戦いに向かうだろうに。」
「今日は、少しだけ立ち止まって考えたかったんです。」紗奈は静かに答える。「私は、あなたを超えるために冷徹でいるべきだと思っていた。でも、心を開くことが本当に弱さなのか、強さなのか…その答えがまだわからない。」
その言葉を聞いた司は、少しの間黙ったまま紗奈を見つめ、次に冷徹な目で言った。
「心を開くことが強さだ。」その言葉が、紗奈の胸に深く響いた。「自分の心をしっかりと見つめ、それに従うことが本当の強さだ。冷徹さだけで強くなった気になっても、それは本物の強さではない。」
その言葉に、紗奈は驚きと共に強く心を打たれた。司が言う強さは、冷徹さだけではなく、感情をしっかりと理解し、それを受け入れた上での強さなのだと感じた。今までの自分は、冷徹さに囚われすぎていたのかもしれない。
「心を開くことが強さ…」紗奈はその言葉を反芻しながら、少しずつ心の中で答えを見つけたような気がした。これまでの自分を超えて、司との関係を築くためには、心を開くことが必要だと感じた。
「私は、あなたを超えるために、心を開くことを恐れない。」紗奈はその決意を口にした。その言葉には、これまでの迷いを断ち切る力強さが込められていた。
司は少し目を細め、紗奈をじっと見つめた。「それが本当の強さだ。お前がそれを理解したのなら、もう迷うことはない。」
その言葉に、紗奈は深く頷いた。司に対する思いが、確かに自分の中で変わり始めていた。冷徹で強くなることだけを目指していた自分が、少しずつ心を開くことで、司との関係が新たな段階へと進むことを感じていた。
「これからも、あなたを超えるために戦い続けます。」紗奈は再びしっかりと目を合わせ、言った。「でも、それだけじゃなく、あなたと共に強くなりたい。」
司はその言葉に一瞬黙ってから、冷徹に微笑んだ。「それでこそ、お前だ。」
その言葉に、紗奈は胸の奥で温かさを感じ、これからの自分に対する確信を持った。冷徹さと心のバランスを取りながら、司を超えるために前進し続けること、それが自分の新しい目標となった。


