第13章 - 変わり始める心
数日後、紗奈は自分の心の中で大きな変化を感じていた。冷徹さだけではなく、心を開くことができるようになった自分を実感していた。司の試練を通じて、彼に対する感情がさらに強くなったことも感じていたが、同時に自分自身が少しずつ変わっていることに気づいていた。
ある日、再び司と顔を合わせた。彼はいつものように冷徹に紗奈を見つめ、無言で立っていた。だが、その目にわずかながら変化を感じる。
「お前、少しは人を信じることができるようになったな。」司は冷徹に言ったが、その言葉にはどこか誇らしげな響きがあった。
「信じることが、強さになると気づきました。」紗奈はその言葉を素直に口にした。「冷徹さを極めるだけじゃなく、心を開くことが大切だと。」
その言葉を聞いた司は、少しだけ目を細めて微笑んだ。「その通りだ。だが、お前が強くなるためには、まだまだ試練が続く。」
その言葉に紗奈は静かに頷いた。「私は、あなたを超えるために、これからも戦い続けます。」
司は無言で彼女を見つめ、その後、再び背を向けて歩き出した。紗奈はその後ろ姿を見送りながら、心の中で強く決意を固めた。司を超えるために、そして自分自身を超えるために、これからも歩み続けることを。


