ところで蒼葉くんは──と思ったところで奥から戻って来た。 「蒼葉くんは良いもの見つかった?」 「とりあえず」 千莉くんがゆっくり試着室から出て行ったのに、蒼葉くんは服を手に持ったまま動かない。 「……着てみない?のかな?」 「別にいいだろ。着れりゃ」 ……余りこだわりはないみたい。 千莉くんも決まりそうだし、一番こだわってる夢莉くん次第かな。 お、千莉くんが戻ってきた。 「蒼葉はもう決まったの?僕はこれで」 「ああ。後はお前の片割れだけだな」