相談室のきみと、秘密の時間

「慧悟さん!」

「彩葉.......」

東京の満開の桜の木の下で慧悟さんは泣いていた。
私は思わず慧悟さんのことを抱きしめた。

慧悟さんはこんなに小さかっただろうか?

「なんで分かってくれないの! ダメだよ.......僕じゃ、ダメなんだよ」

「慧悟さんがいいんです。慧悟さんじゃなきゃダメなんです!
慧悟さん.......よく聞いてください。私はずっと貴方に言えずにいたことがありました。

恥ずかしくて認めたくなくて。でも言います。

私は……私はひとりは嫌だ。だから慧悟さんと一緒にいたい」

どんな言葉を選んでも、伝わらないなら、私は一生をかけて、慧悟さんのそばに居る。

「慧悟さんも本当はそうだった。ひとりじゃ嫌だと気づいてた。でも信頼することもされることも許せなくなっていた。でも本当は違う。ずっと慧悟さんに向けられていたのは『絶望』でも『悪意』でもない。『希望』と『期待』なんだよ」

「僕は、君の隣にまだいてもいいの?」

「お願い、そばにいて。
私には慧悟さんが必要です。信じて。もう一度だけでいいから。
この世界を、そして自分自身を許してあげてください」