相談室のきみと、秘密の時間

ーー二人で海に行った。完全に公私混同だ。それでも頑張っている君のことを甘やかしたくて仕方ないんだ。

海の水が冷たくてびっくりしたね。なんで君といる時だけはこんなに時間が進むのが惜しいのかな。

「時間が止まっちゃえばいいのにね。そう言ってくれたよね」


ーー彩葉が心理学部に希望届けを出したらしい。本当にバカみたい。なんであんなにバカなんだろう。でももし君がカウンセラーになる日が来たら、僕のことを世界で誰よりも温めてくれる気がする。そんな日が本当に来たらいいのにってちょっとだけ思ってしまった。

「来るに決まってる……」


ーー家族と話する日。最後の日。問題の糸は思うほど絡まってないんじゃないかなって思う。だって彩葉は少し頑なだっただけで、本当はよく笑うしよく泣いちゃういい子だったから。

「頑固なのは慧悟さんだよ」


ーー僕の思った通りの、素敵な君だったから。

僕は君に似合わないんだって気づいて、君と過ごす時間を重ねるほどワガママになっていった。

君のとなりにいたい。

君のとなりに相応しい"僕"になりたい。

だから、終わりにしようと思うんだ。

だけど最後にお願いです。

もし僕が変わることができたら、もう一度君に巡り会えますように。

そうしたら、春の桜も夏の陽炎も秋の紅葉も冬の朝靄の景色も君と一緒に見たい。

彩葉と一緒に未来を生きていきたいーー