相談室のきみと、秘密の時間

村越さんと約束した通り、私は水曜日と金曜日の放課後には必ず相談室へと足を運んだ。
村越さんはコーヒーだけでなく、ハーブティーや緑茶、たまにクッキーなどの手作りのお菓子まで用意して温かく迎えてくれた。
いつだって村越さんは村越さんで、居心地が良くて何でも話せた。

「クッキー、美味しいかい?」

「はい! 誰が作ったんですか」

「僕だけど」

「え、天才……」

「ぷっ、大げさだ」

村越さんは笑っている。
私は村越さんといる時間が大好きで、必然のように私は村越さんのことを一番特別に思うようになっていた。

村越さんもあの海での話の続きこそ話してはくれなかったけれど、心理学のことや、普段の一人暮らしの様子などを私に聞かせてくれて、二人の間にはきっと強いつながりがあるんだとさえ思えた。

私は村越さんが必要で、村越さんも私を必要としてくれている。
それは本当に今まで生きていた中で感じたことのないほどの安心感だった。
だから、手離したくはない。私のこの想いは日毎に強度を増していった。