道路を挟んで小さな二階建ての建物が観光案内所で、1階が郷土資料館となっていて、2階に上がると全面に大きな窓がついていて景色がよく見えた。ちょっとした休憩スペースに、海の方に向いた無料の望遠鏡が二つ置いてあった。
村越さんは望遠鏡を覗いてさっき居た岩場の上に海鳥たちが集まっていると教えてくれた。代わってもらって覗くと、6羽の白と黒の海鳥たちがお互いをつつきあったりしてのんびりとしていた。
「かわいいですね」
「君のいた所からいい出汁が出ていたからみんなで集まって味見して楽しんでいるのかもよ」
「村越さんの出汁かもですよ」
「それは美味しそうだな」
村越さんは近くにあった自動販売機でぶどうジュースとコーヒーを買ってきてどっちがいいかと聞いてきたので感謝の言葉と共にぶどうジュースの方を受け取った。
冷たくてつぶつぶの果肉の入った美味しいジュースだった。
「まだ若い君にこんな話をするのは気が引けるのだけど、実際大人は汚い。自分が得をするためなら平気で他を蹴落とす。それがカウンセラーになるような人間であってもね」
「私にも、少しはわかる気がします」
「うん、君は大人びているからね。多分、人の心を癒せるという力は、同じだけの力で、人の心を簡単に壊せるんだーーだから僕はいつの間にか心をすり減らし疲弊してしまった」
右側には夕日が溶けたみたいにオレンジ色をした海が見えた。
こんなに綺麗な海を見たのは初めてで、私はそれを綺麗な小さな箱に入れて落ち込む村越さんにプレゼントしたくなった。
「ある日、とある人にはっきり言われたんだ。『お前の中身は何も無い。お前のような人間はカウンセラーには向いてない』と。僕は何となく出来そうなものに手を伸ばして、夢を目指している自分に酔っていただけだ。本当にしたいことをしていた訳じゃなかった」
村越さんは望遠鏡を覗いてさっき居た岩場の上に海鳥たちが集まっていると教えてくれた。代わってもらって覗くと、6羽の白と黒の海鳥たちがお互いをつつきあったりしてのんびりとしていた。
「かわいいですね」
「君のいた所からいい出汁が出ていたからみんなで集まって味見して楽しんでいるのかもよ」
「村越さんの出汁かもですよ」
「それは美味しそうだな」
村越さんは近くにあった自動販売機でぶどうジュースとコーヒーを買ってきてどっちがいいかと聞いてきたので感謝の言葉と共にぶどうジュースの方を受け取った。
冷たくてつぶつぶの果肉の入った美味しいジュースだった。
「まだ若い君にこんな話をするのは気が引けるのだけど、実際大人は汚い。自分が得をするためなら平気で他を蹴落とす。それがカウンセラーになるような人間であってもね」
「私にも、少しはわかる気がします」
「うん、君は大人びているからね。多分、人の心を癒せるという力は、同じだけの力で、人の心を簡単に壊せるんだーーだから僕はいつの間にか心をすり減らし疲弊してしまった」
右側には夕日が溶けたみたいにオレンジ色をした海が見えた。
こんなに綺麗な海を見たのは初めてで、私はそれを綺麗な小さな箱に入れて落ち込む村越さんにプレゼントしたくなった。
「ある日、とある人にはっきり言われたんだ。『お前の中身は何も無い。お前のような人間はカウンセラーには向いてない』と。僕は何となく出来そうなものに手を伸ばして、夢を目指している自分に酔っていただけだ。本当にしたいことをしていた訳じゃなかった」


