村越さんは笑って付け足した。
「予め言っておくけど、ここから先もちっとも真似すべき箇所やサクセスなんて欠けらもないストーリーだから反面教師にしてほしい」
「だとしても村越さんの話が聞きたいです」
「カウンセラーになるために僕は努力をし続けた。臨床心理士っていうカウンセラーの中でも有名な資格をとることははっきりと決めていた。それはとにかく大変な道のりだった」
「でも村越さんはやり遂げた」
「うん。でもその場所に行き着くまでに、何人の友人が居なくなったか……」
喉が乾いちゃったな。あそこに観光案内所みたいな所があって自動販売機もあるから話の続きはそこでしないかと村越さんが言った。
私は頷きながら立ち上がり、足が痺れたと嘆く村越さんに手を貸して立ち上がらせた。
「登るのは簡単なのに降りるのは難儀な場所だ」
村越さんは岩場の急な坂になっているところで転びそうになっていたので、先に下までおりてから両手を差し出し軽く村越さんの体を支えながら下ろした。
「君の方が身軽だから動けるんだな」
「それって何だか人生の教訓みたいですね」
顔を見あって笑い合う。
今までで一番自然な時間が二人の間を流れているのがはっきりと分かる。
「予め言っておくけど、ここから先もちっとも真似すべき箇所やサクセスなんて欠けらもないストーリーだから反面教師にしてほしい」
「だとしても村越さんの話が聞きたいです」
「カウンセラーになるために僕は努力をし続けた。臨床心理士っていうカウンセラーの中でも有名な資格をとることははっきりと決めていた。それはとにかく大変な道のりだった」
「でも村越さんはやり遂げた」
「うん。でもその場所に行き着くまでに、何人の友人が居なくなったか……」
喉が乾いちゃったな。あそこに観光案内所みたいな所があって自動販売機もあるから話の続きはそこでしないかと村越さんが言った。
私は頷きながら立ち上がり、足が痺れたと嘆く村越さんに手を貸して立ち上がらせた。
「登るのは簡単なのに降りるのは難儀な場所だ」
村越さんは岩場の急な坂になっているところで転びそうになっていたので、先に下までおりてから両手を差し出し軽く村越さんの体を支えながら下ろした。
「君の方が身軽だから動けるんだな」
「それって何だか人生の教訓みたいですね」
顔を見あって笑い合う。
今までで一番自然な時間が二人の間を流れているのがはっきりと分かる。


